信用と信頼

濵桜コンサルティングの松田史子です。

ビジネスでもプライベートでも度々
「信頼関係」を大切にしなさいと言われ
ます。

また、
「顧客に信頼される行動を取ろう」とか
「信用を失うな」という言葉もよく耳に
します。

「信用」と「信頼」

これらをしっかりと定義し、
正しいステップを踏まない限り、

「信頼されたい」と願っても
信頼されません。

改めて「信用」と「信頼」とは
どういうものでしょうか。

◆信用とは

1.起点:信用は過去にするもの
信用は、具体的な事実や証拠・過去の実績
に基づく判断。

信用は過去の成果や行動に対しての評価
であるため、一方的な気持ちの働きかけ
であるともいえる。

2.短期的
新しいビジネス関係や取引を始めるとき、
初めての印象や約束を元に相手の信用を
判断することが多いです。
しかし、この段階では、長い間の経験を元
にした信頼関係はまだ築かれていません。

3.破壊されやすい
一度失われると回復が難しい場合があ
ります。
たとえば、納期を守れなかった、商品の
品質が低かったといった一つのミスで、
信用が大きく損なわれることもあります。

次に信頼についてですが
信頼とは読んで字のごとく、

「信じて頼ること」

私達は、
信用をもとに人を信頼するのです。

「信用」⇒ 過去にするもの
「信頼」⇒ 未来にするもの

過去の信用をベースに
未来を信頼するのです。

◆信頼とは

1.起点:未来にするもの
信用をもとにするもの。
経験を通じての実績、人間関係、相手の性
格や価値観、行動の一貫性などに基づく、
未来や可能性に期待する 信じる気持ち。

2.長期的
信頼は時間と経験を重ねることで形成さ
れます。
繰り返しのコミュニケーションや共同作
業を通じて、相手の真意や能力を知るこ
とで、徐々に信頼感が増していきます。

3.安定性
一度築かれた信頼関係は、信用よりも
安定しており、一時的なミスや問題が
発生しても、それが関係を大きく損なう
ことは少ないです。

例えば
職場に新人のAさんが入社してきたと
しましょう。

信用
Aさんが大学や前職での実績、持っている
資格などに基づいて、ある程度の評価や
期待を受けます。(信用して採用する)

信頼
しかし、Aさんが実際に仕事をしていく中
で、どれだけ誠実に業務に 取り組むのか、
どれだけのスキルや能力を持っているの
か、どれだけコミュニケーション能力が
あるのかなどを確認・経験し、時間をかけ
て信頼を築いて いきます。

このように、
信用と信頼は状況や時間軸によって異な
る側面を持ち、仕事の場において両方と
も非常に重要です。

私達は、信用をもとに人を信頼するので
す。

信用という言葉は、
クレジットカードの信用取引、
あるいは個人の信用情報など、
さまざまな場面で耳にします。

この概念は、
クレジットカードを申し込む際に
行われる審査のプロセスに似ています。

審査では、
申込者の過去の行動や事実が
基になって評価されます。

つまり、
過去に約束を守ったかどうかによって、
「信用できる」あるいは
「信用できない」と判断されるのです。

信用できないと評価された場合、
クレジットカードの契約は結ばれません。

このように、
人の過去の行動や実績(信用情報)を
基にして、「この人を信じても大丈夫だ」
と考えることが、信頼の根底にあります。

信用信頼についての私の経験をお伝えすると
以前の職場で部署異動をしたさい、
新しいチームメンバーに心を開いて
もらえない時期が長くありました。

それでも毎日変わらず挨拶をし、
いつでも相談してね、と声をかけて
いたところ、ある日本当に突然、その
メンバーが相談に来てくれたのです。

彼女は「松田さんが毎日気にかけてくれ
ているのはわかっていました」と言い
気軽に相談できる内容ではなかったので
私という上司が信頼できるまで時間が
かかったと本音を打ち明けてくれました。

彼女は、人を信頼するのに時間がかかる
方かもしれませんし、あるいは私のような
上司は苦手だったのかもしれません。
それでも、毎日の積み重ねでいつか信頼
は得られることを体感した出来事でした。
異動してから1年半が経っていました。

彼女の相談に対して、本人が最も望む
解決策はだせませんでしたが、信頼に
応えるべく上司としてできうる限り真摯
に向き合ったと思っています。
そのあとの彼女との信頼関係が変わった
ことはいうまでもありません。

「信頼を失うのは一瞬、取り戻すのは
一生」ということわざがあるように
信頼を築くことは容易ではなく、
失うことは簡単です。

だからこそ信頼を築くことは、周囲との
関係を強化し、仕事で成長していくため
の重要な土台になると言えるのです。

「時間」を守る人、「小さな約束」を守る
人は、信用を積み重ね、信頼を得ます。
これは誰にでもできることです。

誰にでもできることを実直にやっていく。
これこそが仕事をしていく上で最も重要
ともいえることなのです。

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