人材育成のための効果的なフィードバックとは

人材育成のための効果的なフィードバックとは
濵桜コンサルティングの松田史子です。
 
今回は、より実践的な内容として
効果的なフィードバックを行うための
5つのポイントについて
お話ししたいと思います。
 
 
効果的なフィードバックのポイント
は以下の5つです。
 
1.「1対1で行う」
2.「タイムリーに行う」
3.「率直に言う」
4.「具体的に言う」
5.「主語を自分にする」
 
1つずつ見ていきたいと思います。
 
 

1.「1対1」で行うとは
 
フィードバックは、相手の成長のために
行うものですが、少なからず
心理的ストレスを与えてしまうものです。
 
指導されている姿を見られたくない人は
多いため、人前は避け、1対1を心掛け、
リラックスして話が聞ける環境で行う
ことで、相手も、フィードバックを
受け取りやすくなります。
 
人前で褒められたくない人もいますので
ポジティブ・フィードバックであっても
相手を尊重して、行うことが大切です。
 
 

2.タイムリーなフィードバックとは

タイムリーとはふさわしいタイミングを
計ることです。
 
効果的なフィードバックは時間を空けず
に行うことが大切ですが、あくまで原則です。
 
適切な場所や時間でない時、例えば忙し
い時や、相手に聞く準備がない時などは、
タイミングを避け、場所・時間を変えます。
 
ただし、時間が経つと、いつの話をされて
いるのかピンと来ませんので、
時間を空けすぎないようにしましょう。
  

3.率直なフィードバックとは

 「率直」とは、飾らず、ありのままを
伝えることを意味します。
 
「ズバッと言う」ということ?
それはやっぱり、強めに言うこと?
と思われるかもしれませんが、
ただ、偽りなく伝えることですので、
誠実さは必要ですが、圧は不要です。
 
ちなみに、「率直」の対義語は
「遠まわし」「回りくどい」になります。
 
せっかく、気を使って婉曲な言い方を
したとしても、遠回しすぎると、相手には、
本当に言いたいことが、伝わりません。
 
率直に伝えるというのは、相手のために
わかりやすく伝えるということです。
 
また率直に似た言葉の「素直」にも
「ありのまま」の意味がありますが、
こちらは無自覚でストレートに言う。
 
「率直」には意図してストレートに言う
という違いがあります。
 
 

4.具体的なフィードバックとは
 
「すごくいいですね」
「素晴らしいですね」
 
一見、ポジティブ・フィードバックの
ようですが、これではただの誉め言葉に
過ぎず、相手は自分のパフォーマンスの、
何が素晴らしいのか、まだわかりません。
 
効果的なフィードバックをするには
「何をフィードバックするのか」が
とても重要です。
 
フィードバックをする際、
具体的な出来事や状況を用いることで、
相手が自分の行動や成果について
明確な理解を持つことができるのです。
 
「具体的」の例としてよく言われるのが、
実際に起こった出来事について、
写真に写っている内容を説明するように
話すという手法です。
 
写真に写っていないものについては、
憶測で言わないというのがポイントです。
 
また、
・数字を使い行動に焦点を置く
・態度に関する意見は避ける
 
など、意識して行うとよいでしょう。
  

5.主語を自分にするフィードバックとは

 あくまでも、フィードバックの対象は
「人」でなく「行動」
に、フォーカスして行います。
 
相手を主語にして伝えると、どうしても
「人」にフォーカスされがちです。
 
以下は、会議に書類が揃っていなかった
場合のケースです。
 
相手が主語の場合
 
「Aさん、(あなた)今後ミーティング
の準備はきちんとして。用意しておくべ
きことは前もって終わらせておくように」
 
自分が主語の場合
 
「Aさん、(私)さっきのミーティングで
気づいたんですけど、必要な書類が準備
できていませんでした。用意がきちんと
できていませんでしたね」
 
主語を「自分」にすると確信をもって言っ
ているように聞こえますが、善し悪しの
判断をしているように聞こえません。
そのため、相手が聞きやすくなります。
 
  

最後に。どんなときも
相手を尊重する気持ちを忘れない

 効果的なフィードバックを行うために
5つのポイントをお伝えしてきましたが
どんなテクニックより大切なのは
相手を尊重する気持ちと信頼関係です。
 
実は、この
「尊重する気持ち」と
「相手の成長のために行う」
ことさえ忘れなければ、スキルは後から
徐々についてきます。
 
今回も、
まずは、やりやすい「できそうだ」と、
思うところから始めてみてください。
 
きっと何か動くはずです。

フィードバックの話
次回もまだ続きます。
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次