企業ロゴに見る企業文化

~スターバックスのロゴ~

本日はデザイン部が
お届けします。
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デザイン部が担当するブログでは、
企業ロゴのデザインの観点から
「企業文化」について
探っていこうと思います。
 
今回はスターバックスコーヒーの
ロゴです。
 
皆さんご存じのスターバックスは
1971年にアメリカのシアトルで
開業した世界最大の
コーヒーチェン店の一つです。

2023年時点で、世界83か国に
36,634店舗を展開しており、
18,655店舗が直営店、
17,979店舗がFC店舗です。
 
店名の由来は、
ハーマン・メルヴィルの小説
『白鯨』に登場する
副長の人名である
スターバック一等航海士(Starbuck)
とシアトル近くのレーニア山に
あったスターボ(Starbo)採掘場
から採られたようです。
 
企業ロゴには船乗りとの縁が
深いセイレーン(ギリシャ神話
における、上半身が人間の女性で
下半身が魚、二股に分かれた
ヒレを持つとされている海の怪物)
が用いられています。
創業メンバーの一人が、
コーヒーや航海の歴史、
シアトルという港のルーツを
探っていたところ、
ノルウェーの木版画に
描かれたセイレーンを見つけ、
ロゴデザインに取り入れたようです。
1971年の誕生当初は、コーヒー豆を
モチーフに濃い茶色のロゴでした。

スターバックスは開業当初
15年ほどはコーヒー豆だけを
販売していました。 
 
シアトルのコーヒー豆店、
というごく限られた地域と
目的を想定してのロゴ
であったことがよくわかります。
 
1982年、のちの会長兼CEOの
ハワード・シュルツが入社します。
 
その当時スターバックスは
4店舗でした。
 
シュルツは、イタリアで
コーヒー文化に触れ、
エスプレッソ系コーヒーの
可能性に気づきます。
 
フィラデルフィアと同規模の都市、
ミラノに1,500軒もの
エスプレッソバーがあることを知り、
シアトルで同様のコーヒーバー文化を
展開することに潜在性を見出します。
 
シュルツはスターバックスの創業者を
説得し、シアトルの繁華街に
当時新しくできた店舗で
コーヒーバーのコンセプトを
試験的に実施、
大成功を収めます。
 
1985年にスターバックスを退社した
シュルツは翌年イル・ジョルナーレ社を
設立し、エスプレッソを主体とした
テイクアウトメニューの店頭販売を
開始します。
 
これがシアトルの学生や
キャリアウーマンの間で大人気となり、
瞬く間に流行しました。

シアトル系コーヒーの元祖となります。
 
シュルツは1987年にスターバックスの
店舗と商標を購入しこの年に、
現在に近いロゴに変更します。
ここからスターバックスの
テーマカラー緑が登場します。 

イル・ジョルナーレ社を
スターバックス・コーポレーションに改称し、
スターバックスのブランドで
コーヒー店チェーンを拡大します。

 同業他社もこれにならい、
同様のスタイルのコーヒー店が
急増しました。
 当時のアメリカでは
イタリア流のファッションや
食事が流行しつつあり
イタリア式コーヒーのエスプレッソを
主体とするこれらの
「シアトル系コーヒー店」は
ブームに乗ってすぐに
北米全土に広がり定着しました。
 
2011年1月にロゴをさらに更新します。
外側の帯および社名の文字表記を
なくしもともと内側にあった
セイレーンを拡大した
新たなロゴマークです。

 これは「今後スターバックスの
名前でコーヒー以外の商品を
提供していく可能性」が
おもな理由です。

 現に音楽やグッズ、
社会貢献やコミュニティ創設など
企業の活動は多岐にわたります。

 スターバックスのミッションは

人々の心を豊かで
活力のあるものにするために
一人のお客様、
一杯のコーヒー、
そして一つのコミュニティから

です。
 
どの店舗を利用しても、
このミッションを遂行している
様子が伝わります。
 
レジでの何気ない言葉のやり取り、
テキパキと働く姿、笑顔、
センスのいい清潔な店内。
 
何より“スタバが好きな人たち”が
集まっているようなその場の雰囲気。
 
この企業文化を創り上げてきた努力は
どれほどのものだったでしょう。
 
一息つきたいとき、
さあこれからというとき、
何かちょっと自分へのご褒美が
飲みたくなります。
 
何も飲み物を飲まない人はいないし、
スターバックスがない場所は
まだまだあります。
 
スターバックスの広がりには
まだ無限の可能性がありそうです。
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