濵桜コンサルティングの松田史子です。
フィードバックについて実践する時
まず「伝え方」に気を付けましょうと
言われることが多いと思います。
もちろん、「どのように」伝えるかは
とても大事なことですが、
実は、本質である「何を」伝えたらよいの
かわからないという声を良く聞きます。
今回は、フィードバックのさい
「何を」伝えるのかについてお話し
したいと思います。
フィードバックで「何を」伝えるのか
人材育成におけるフィードバックの効果
や、重要性についてお伝えしていますが、
そもそもなぜフィードバックをするかと
いうと、組織として達成したい目標があ
り、そこから現状とのギャップをフィー
ドバックすることで、部下の行動を変え、
差分を埋め、目標達成に近づくためです。
まずあるべき姿や、目指すべき姿があり、
そこに対して、今現状はこうですよ、
と伝えるのがフィードバックです。
そのため、あるべき姿をわかっていない、
イメージを持っていなかったり、言語化
して伝える習慣がないと、伝えるべき
ポイントがわからず、フィードバックが
できないのです。
ですので、
部下にフィードバックしたいけれど、
何をどう言ったらよいかわからない場合
は、そもそも組織としてどうあり、
どうなったら良いのだろうと考えてみて
ください。そこからの差分が
フィードバックすべきポイントです。
成長フォーカスフィードバックには
・ポジティブ・フィードバック
(肯定的なフィードバック)と
・コンストラクティブ・フィードバック
(建設的なフィードバック)があります。
成長フォーカスフィードバック実践のための4つのポイント | Hamazakura-濵桜コンサルティング
濵桜コンサルティングの松田史子です。 フィードバックは人材育成に必要な スキルでありながら、日常的に使うには 難しく、ハードルが高いと感じている方 は多いようです。…
たとえば、サービス業の企業で
「お客様には笑顔で元気に挨拶する」
というのが組織のあるべき姿であれば、
できている人には「できているね」と
ポジティブ・フィードバックを行います。
笑顔であっても挨拶の声が小さければ、
笑顔についてポジティブ・フィードバッ
クをし、声が小さいことについて「これく
らい足りていないですよ」とコンストラ
クティブ・フィードバックを行います。
あるべき姿の基準を明確にする
大切なのは、このあるべき姿を上司部下
ともに共通認識しているということです。
そのため「笑顔で元気に」のような曖昧な
内容の場合、期待値を明確にするための
笑顔や発声についての、あるべき基準を
示すとともに、部下の理解度を確認
する必要があるでしょう。
そんなに細かくするのかと思われるかも
しれませんが、曖昧な目標設定の場合、
上司によって判断基準がぶれがちなため、
まじめな部下ほど混乱し、ストレスを増
加させる傾向があります。
それが、組織にとって実現させたい
あるべき姿であれば、明確な基準はおく
べきです。
「考えたらわかるだろう」と自主性に
任せることも大切ですが、目指す目標や
やるべき基準という型がわかれば、後は
すんなり動ける人は実際多いのです。
また、どんな仕事にも意味があるため、
なぜ「お客様には笑顔で元気に挨拶する」
のか、を伝えることで、日常の業務が組織
のビジョンにつながり、型にはめられる
のでなく、自律的に動けるようになって
仕事が面白くなり、成長していくのです。
「あるべき姿はなにか」の問いを立てる
ことは、目先の手段ばかりで狭くなりが
ちな視野を広げ、視座を上げ、組織全体の
ベクトルを合わせる効果もあります。
フィードバックは成長文化の鍵です。
ぜひ、ここを出発点にフィードバックを
はじめてほしいと思います。